オトコは見た目でしょ?~ゲイ・YOSA-PUエッセイ

#13 ダメな男

投稿日:2012年11月10日 更新日:


PJ_banner

カワイイ笑顔。
サラサラの髪。
夜中のマッサージ。
“おはよ”のキス。
3番目に好きになった彼がくれたのは、それくらいだったかもしれない。
僕がまだ会社員だった頃、中途採用で入社してきた彼は甘えん坊で、26才になっても自己の確立ができていない男子高校生のようなヤツだった。
最初は仲の良かった同僚の女子がかまってあげていたけれど、彼女の寿退社が決まり、彼女から「○○ちゃんのこと、よろしくね!」って言われたのが始まり。
それからは僕が彼をかまってあげることに。
彼は本当に子供で、僕がどんな仕事をしていても自分が話したい時に来て、カワイイ笑顔で“ちょっと♪ちょっと♪”と僕を呼んだ。
最初の内は多少“おいおい…”と思った僕だったけれど、結局“カワイイ男子”に弱い(照)
それに付き合って甘えたの高尚な愚痴を聞いて真剣に応えた。
そんなある日、彼の手に根性焼きの跡が多数あることに気付いた。
なんで根性焼きの跡があるのかを尋ねると、どうやら自分でやっているようだった。
“この子の闇は深い…”と思った僕は、彼の言動、行動へ注意を払い、極力彼の気が楽になるように務め、そのまま彼の深みへと踏み込んでいった。
『この子をどうにかしないと!』という“使命感”があった。
一人暮らしの彼が「今日は家に泊まってください♪」と言えば泊まり、「土曜日に競馬場に行きたい♪」と言えば行き、「パチンコをしよう♪」と言えば一緒にやった。
元来、僕はギャンブルが肌に合わず嫌いだったけれど、毎日のように“かまって♪ かまって♪ オレだけを見て♪ そして優しくして♪”と僕のところに来る子犬のような彼に、気付いたら落ちていた。
しばらく経って僕は尋ねた。
『どうして根性焼きをするの?』
彼は答えた。
「“S”をやりたくなったらガマンする為にやるの♪」
『“S”ってあの“S”?!』
「うん♪ やるとスーッっとして楽しくなんだよ♪ だけど高いからね♪」
ここで彼を切れば良かったんだけど、既にどっぷりハマっていた僕は“彼を更生させなくては!”と思ってしまった。
よくよく考えると彼は気分屋で、HIGHTとLOWの差も激しかったし、同じ人物かと疑問になるほど、優しい時もあれば冷たい時もあった。
多分、全部“S”のせいだったんだとその時に理解できた!
彼が会社の後、週3~4回「Wワーク♪」と言ってコンビニでアルバイトをしていたのも、結局“S”のお金が欲しいからなのか?と思った。
僕はもう“S”はしない約束を彼として、これまで以上に彼の面倒をみた。
基本的には土日以外、毎日彼と一緒にいた。
カップルのように仕事を終わらせる時間を合わせ、一緒に帰ったり。
僕が遅い日は約束もしていないのに彼が待ちぶせをしていたり。
僕がお客さんと飲みの約束があるから一緒に帰れないと言えば「えー! イヤだイヤだ!!」と泣きマネをしながら僕を喜ばせたり。
彼は僕が彼に夢中になる方法を知っていた。
だから僕は彼に“本気”になった。
そして彼の家に泊まった夜。
彼はラーメンを作って、僕をもてなし、彼が好きだという“モーニング娘。”のファーストコンサートのビデオを2人で見ていた。
間接照明の薄暗い部屋。
タバコを吸う僕等。
ふと彼が「YOSA-PUさん、オレに根性焼きをしてください♪」と言ってきた。
僕が『まだ“S”をやってるの?!』と尋ねると「やってないですよ!」と彼。
「ただやってもらいたいんです♪」と。
「やってくれたら根性焼きもやめる♪」と。
だから僕は彼の左手の甲に根性焼きをした。
彼は「コレ、YOSA-PUさんがやったヤツですからね♪」と嬉しそうにカワイイ笑顔で笑った。
それからベッドで彼にマッサージをした。
ライトグレーのスウェット上下を着た彼。
スラッとした首。
鎖骨がキレイな肩。
程良い筋肉の腕。
しなやかな背中。
くびれた腰。
色っぽい太もも。
ふっくらしたふくらはぎ。
僕は順番に揉んだ。
彼は「ぅふぅッ ンンッ あッ」と小さく声を漏らし、トロ~ンとしていた。
僕はその声と身体に興奮し、勃起しながらずっと彼の身体を触っていた。
もう僕はエッチな気分が止まらなくなり、『アソコもやってやるよ!』と何度も攻めようとしたけど、彼はキャッキャッ言いながら修学旅行のノンケ男子ノリでそれを拒んだ。
そのやり取りに疲れた僕は『もう寝よう』とベッドを降りた。
『明日の朝、キスで起こしてあげる♪』と言って。
次の朝。
鳴る目覚まし時計と僕の携帯電話。
起きない彼。
僕はしばらく彼の寝顔をドキドキしながら眺めていたけど、オデコにキスして『おはよ』と言った。
13

【YOSA-PU(よさぷ) プロフィール】
大学時代、写真による創作活動をスタート。
何故かオトコ以外は撮りたくならず、自分がゲイであることを認識。
現在はモノ作りワークを生業にしている。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

yosapu

YOSA-PU(よさぷ) 大学時代、写真による創作活動をスタート。 何故かオトコ以外は撮りたくならず、自分がゲイであることを認識。 現在はモノ作りワークを生業にしている。

おすすめ記事

-オトコは見た目でしょ?~ゲイ・YOSA-PUエッセイ

Copyright© PeachJoy プレス , 2019 All Rights Reserved.